滞納管理費の効果的な回収はありますか

Question

会計理事をしています。管理費などの徴収は口座引き落としです。ただ、残高不足で引き落としができない口座が多く、1年以上支払われない組合員もいます。効果的な回収方法はないでしょうか。

Answer

管理費などの回収は、口頭や文書での催告だけでは不十分です。
①口座振替不能通知  ②電話で催告  ③訪問して催告  ④文書催告  ⑤内容証明郵便送付  ⑥法的措置
といった処理を段階的に実施していくことが大切です。
滞納管理費の回収手順と内容は重要事項なので、あらかじめ管理規約や細則に定めておきます。管理規約には、滞納管理費などだけでなく、遅延損害金や弁護士費用、督促・徴収に要した全経費を回収できるように定めましょう。
弁護士費用は、標準管理規約や福管連のモデル管理規約では「(滞納の場合は)違約金としての弁護士費用を加算して請求することができる」と定めています。この規定がないと弁護士費用の回収はできません。弁護士費用は、多くの裁判所では、実際に弁護士に支払う額よりも減額して認められています。
しかし、平成26年4月の東京高裁の判決では、弁護士費用負担の規定は違約金の定めであり、規約に違反して訴訟になるという原因を作った滞納組合員が全額負担することが合理的であると判断しました。「規約もそのように定めることが望ましい」とまで踏み込んで判決文に書かれています。管理組合にとってありがたい判決となりました。