「二つの老い」対策はどうすべきでしょうか
Question
分譲マンションの理事長です。最近「マンションの二つの老い」という言葉をよく聞きます。建物の老朽化と居住者の高齢化。どのように対処すべきでしょうか。
Answer
国土交通省が発表した平成25年度の「マンション総合調査結果報告書」を見ても、建物の老朽化と居住者の高齢化がはっきり出ています。
まず、建物の老朽化対策から。通常は悪い箇所を大規模修繕時にまとめて補修します。2、3回目以降は今後50年、100年にわたって快く住めるような改修を行う方向に転換してください。そのためには、長期修繕計画を100年スパンで作り、修繕積立金の抜本的見直しも必要です。
最近、建て替えや敷地売却などの法律が整備されましたが、活用できるのは容積率に余裕がある団地など。一般のマンションでは永住する前提で耐震、防災、福祉などを考慮しグレードアップを図って下さい。
次に、居住者の高齢化対策ですが、役員のなり手不足が重要課題です。マンション管理規約を改定し、配偶者などまで役員の範囲を広げる方法があります。外部から役員を受け入れる方法もありますが、金銭トラブルなどを未然に防ぐよう十分配慮してください。
居住者名簿作成、コミュニティの強化、1人暮らしの見守り活動なども必要です。自主管理のマンションでは管理の外注化への転換も考えていかざるを得ません。