業務知識・判例
給排水管「枝管」改修費用を修繕積立金で充当することについて
 標準管理規約第21条関係コメントGでは、「配管の清掃等に要する費用については、第27条第三号の「共用設備の保守維持費」として管理費を充当することが可能であるが、配管の取替え等に要する費用のうち専有部分に係るものについては、各区分所有者が実費に応じて負担すべきものである。」としています。

 しかし、管理組合で給排水管改修工事を計画しても給排水管の枝管の改修費用が区分所有者負担となれば、給排水管の改修費用が多額のために反対する区分所有者もあり、工事ができないと漏水事故の発生につながります。漏水事故の場合、下階の住戸に被害と迷惑を与えます。

 この点について、マンション問題に詳しい篠原みち子弁護士は、『新・マンション管理の実務と法律(137〜141頁 日本加除出版)』で参考になる見解を述べています。

Q:給排水管の本管と枝管の更新を一体で工事し、全額修繕積立金から出そうと考えているが、枝管の費用まで修繕積立金で出すのはおかしいという理事がいる。どうしたらいいか?クリアする方法はあるか?

A:現在の規約が標準管理規約の条文と同じであれば、専有部分にかかる枝管工事の費用を修繕積立金の取崩しという方法で充当することはできません。まず、長期修繕計画書で枝管の修繕計画を位置付けた上で、管理規約を改正(特別決議事項)し、枝管工事の費用についても、修繕積立金を取り崩す等を明記すれば、取り崩し可能と考えて良いでしょう。
≪参考≫福管連モデル規約
(敷地及び共用部分等の管理)
第21条
2 専有部分である設備のうち共用部分と構造上一体となった部分(給排水管の枝管等)で、その管理を共用部分の管理と一体として行う必要があるときは、管理組合が費用を負担し、これを行うことができる。

(修繕積立金)
第28条 管理組合は、長期修繕計画に基づいて、本マンションの財産的価値を適正に維持できる額の修繕積立金を積み立てるものとし、積み立てた修繕積立金は、次の各号に掲げる特別の管理に要する経費に充当する場合に限って取り崩すことができる。
一 一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕(専有部分である設備のうち第21条第2項に基づき、共用部分の管理と一体として行う必要があると認められた構造上一体となった部分を含む。)

(総会の会議及び議事)
第47条
3 次の各号に掲げる事項に関する総会の議事は、前項にかかわらず、組合員総数の4分の3以上及び議決権総数の4分の3以上で決する。
五 共用部分と構造上一体となった専有部分(給排水管の枝管等)の共用部分の管理と一体としての管理の実施



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