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福管連 秋のマンションセミナー 講演概要
第1部「改正標準管理規約との賢いつき合い方」
 マンション管理とコミュニティに関するオピニオンリーダーとして、マンション管理関係者の人材事業にも取り組み、精力的に講演活動を行われている廣田信子 氏より、標準管理規約の位置づけと改正に至った背景やその問題点、また、それぞれのマンションが、自分たちに一番合った規約を持つことの重要性について解説をしていただきました。
なお、講演内容は『マンションライフ福岡2017年春季号』に掲載の予定です。
講師 マンションコミュニティ研究会
代表 廣田 信子 氏
  1. 平成28年の標準管理規約改正の背景
     高齢化による管理組合の担い手不足、管理費滞納等による管理不全、暴力団排除の必要性、災害時における意思決定ルールの明確化など

  2. 平成28年改正の主な内容(国交省発表)
    1) 選択肢を広げるもの:外部の専門家の活用、議決権割合
    ※ マンションの高層化・大規模化等による管理の高度化・複雑化対応のため(コメント)が加わっている。(高層型・投資型の増加に対応?)
    2) 規定の明確化による適正な管理:コミュニティ条項等の再整理、管理費等の滞納に対する措置
    3) 社会情勢を踏まえた改正:暴力団等の排除規定、災害時の管理組合の意思決定、管理状況などの情報開示

  3. 平成28年改正で管理組合運営にとって重要な内容(廣田セレクト)
    1) コミュニティ条項の整理(削除じゃない!):「地域コミュニティにも配慮した居住者間のコミュニティ形成」が管理組合の業務から消えた⇒文言を整理したのであって、コミュニティ形成が重要であることに変わりないことを「マンション管理適正化指針」に規定
    2) 外部専門家の活用:選択肢として、外部の専門家が役員就任する場合の諸規定を整備
    3) 役員に関する規定:欠格条項、利益相反取引の防止、役割の強化(どこまで取り入れるか?)
    4) 総会出席の代理人の範囲を規定:配偶者、一親等の親族、同居する親族、他の組合員
    5) 専有部分の修繕の承認:共用部分や他の専有部分に影響をあたえるおそれのある修繕は理事会の承認必要。開口部工事も同様の手続きで可能
    6) 暴力団等の排除規定:暴力団員に部屋を貸せない、役員になれない。(これだけで良い?)
    7) 災害等の場合の管理組合の意思決定:保存行為は理事長、緊急時の応急修理は理事会決議
    8) 緊急時の理事長の立入り:災害や事故が発生した場合の緊急避難措置(人の緊急事態は?)

  4. 民泊についてはどう考えるか?(改正標準管理規約には含まれていない)
     民泊の実態は、全部が闇民泊。ゲストがルールを守らず、マンションの安全が根本から崩れる恐れがあり、管理規約で明確に禁止しておく必要がある。

  5. 改正標準管理規約とのつき合い方 自分たちに一番合った規約を持とう!
     管理規約は最高自治規範。理事や組合員が内容を理解できることが重要であり、改正しても実行できないのでは意味がない。標準管理規約は、あくまで一つのモデルであり、自分たちのマンションをよく知った上で、必要な改正だけカスタマイズして取り入れてください。
    ※コミュニティ形成は重要! ⇒後退することがないように!
第2部「熊本地震と管理組合の対応」
 4月に発生した熊本地震で被災した多くのマンション管理組合に対し、NPO法人熊本県マンション管理組合連合会(通称:熊管連)は、いち早く相談会やセミナー開催を通じた様々な支援活動を続けておられます。熊本地震で被災したマンションの実状と、災害時における管理組合の対応について、自ら被災された経験を踏まえ、熊管連 副会長の稲田氏に、ご講演いただきました。
講師 NPO法人 熊本県マンション管理組合連合会
副会長 稲田 正嘉 氏
  1. 熊本地震の発生状況
     1週間以内に震度7クラスの地震が2回(観測史上初)

  2. マンションにおける被災状況(2016年8月25日時点)
     市内の分譲マンション約850棟のうち、全壊17棟(2.0%)、大規模半壊22棟(2.6%)、半壊77棟(9.1%)、一部半壊319棟(37.5%)となっているが、その他のマンションも何らかの被害を受けているものと思われる。
  3. 震災後の活動
    1) 震災後の支援活動
    熊管連として、行政(市・県・国)、議員、経験・未経験NPO、弁護士、建築士、学会、大学などと連携を取り協力を得ながら、管理組合(会員・非会員)に対する支援活動中。
    2) 震災後の管理組合活動
    (右図)

  4. 義援金、支援金、補助金、税減免等の情報
     被災者には、それぞれ被害の程度により所得税・市県民税の減免や、災害見舞金・災害義援金の支給、固定資産税・医療費・国民健康保険・介護保険料・NHK受信料・上下水道料の減免、また、応急修理制度・民間借上げ制度や被災者生活再建支援金の支給などが受けられます。

  5. まとめ
    1) 電気、水、ガスの順でライフラインは重要!エレベーターも動かないと悲惨。
    2) 日頃の自立的な管理組合活動が大切。管理会社任せでは復旧は全く進まない。
    3)復旧の合意形成は、工事費用と資金繰りが見えないと進まない。
    4) 保険や罹災証明の前に、共用部分や専有部分の被災実態把握をしておくこと。
    5) 復旧はスピードが大切!工事業者を早く見つけ、早く手を打つこと。  
    行政は、住民がまとまって行政に働き掛けなければ何もやってくれません。

     マンションの復興には、住民の情報共有と合意形成が不可欠です。それを実現するためには、日頃からマンション内でコミュニティ形成を図っていくことが、何よりも大切です。
     熊本に対する暖かいご支援、ご指導に心より感謝いたします。


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