業務知識・判例
マンションの情報開示項目を拡大!!(国交省)

標準管理委託契約書・同コメントを改正
 国土交通省は7月29日、「マンション標準管理委託契約書」及び「マンション標準管理委託契約書コメント」の改正を行いました。マンション管理業者が、宅地建物取引業者等からマンションの管理状況などの区分所有者が専有部分を売却する際に必要となる情報の提供依頼を受けた場合に、開示する情報項目の充実などを行い、契約書別表第5を新設し一覧表記しました。
【主な改正内容】
 
従来からのもの
追加されたもの
開示対象情報
管理規約、管理費等の月額、当該組合員の滞納額、修繕積立金総額、全体滞納額、修繕の実施状況、アスベスト調査、耐震診断結果

大規模修繕工事の予定、役員の選任方法、理事会回数等、管理費等の額の変更予定、特定の者の管理費等の減免措置の有無、専有部分使用制限(ペット等)や関連の使用細則条項、駐車場の空き状況、共用部分の損害保険、管理業者関係、敷地及び共用部分の事故・事件 等
開示の相手方
組合員から媒介の依頼を受けた宅建業者 売却予定者(組合員)
開示方法
管理規約は写しを提供、その他の開示対象情報は書面により開示 電磁的方法による開示を加えるとともに、交付の相手方に、費用を負担させることも可
【イメージ】
【マンション標準管理委託契約書第14条本文の改正】
 
マンション標準管理委託契約書



(管理規約の提供等)
第14条 乙は、宅地建物取引業者が、甲の組合員から、当該組合員が所有する専有部分の売却等の依頼を受け、その媒介等の業務のために管理規約の提供及び次の各号に掲げる事項の開示を求めてきたときは、甲に代わって、当該宅地建物取引業者に対し、管理規約の写しを提供し、及び各号に掲げる事項を書面をもって開示するものとする。

 前項の場合において、乙は、当該組合員が管理費及び修繕積立金等を滞納しているときは、甲に代わって、当該宅地建物取引業に対し、その清算に関する必要な措置を求めることができるものとする。


(管理規約の提供等)
第14条 乙は、宅地建物取引業者が、甲の組合員から、当該組合員が所有する専有部分の売却等の依頼を受け、その媒介等の業務のために、理由を付した書面又は電磁的方法により管理規約の提供及び別表第5に掲げる事項の開示を求めてきたときは、甲に代わって、当該宅地建物取引業者に対し、管理規約の写しを提供し、及び別表第5に掲げる事項について書面をもって、又は電磁的方法により開示するものとする。甲の組合員が、当該組合員が所有する専有部分の売却等を目的とする情報収集のためにこれらの提供等を求めてきたときも、同様とする。

 乙は、前項の業務に要する費用を管理規約の提供等を行う相手方から受領することができるものとする。

 第1項の場合において、乙は、当該組合員が管理費及び修繕積立金等を滞納しているときは、甲に代わって、当該宅地建物取引業に対し、その清算に関する必要な措置を求めることができるものとする。
【同コメント】
 マンション標準管理委託契約書第14条関係コメントで、管理組合の財務・管理に関する情報を、宅地建物取引業者又は売主たる組合員を通じて専有部分の購入等を予定するものに提供・開示することは、当該購入予定者等の利益の保護等に資するとともに、マンション内におけるトラブルの未然防止、組合運営の円滑化、マンションの資産価値の向上等の観点からも有意義であるとしています。

 また、敷地及び共用部分の事故・事件は、開示にあたり組合に確認することも考えられること、また、プライバシー情報が含まれている場合、個人情報保護法の趣旨を踏まえる必要があり、あらかじめ具体的な対応方法を明らかにしておくことが望ましいこと、などをコメントで示しています。

 今回の「マンション標準管理委託契約書」改定に伴う情報開示項目の拡大は、3月14日発表の「マンション標準管理規約」別添4を反映しています。また、この改定の中には、既存マンションの流通促進策も含まれています。

 各管理組合においては、今回の改定を参考にしつつも、各マンションの個別の状況に照らし、開示する情報項目を慎重に検討することが必要です。

 ただし、管理組合内で人的な対立がある場合やプライバシー等の問題もあり、どう対応するかはこれからの課題です。
 国交省は、この標準管理規約改正(第2項に、長期修繕計画書、設計図書及び修繕等履歴情報も閲覧項目に追加)に合わせて、標準管理委託契約書を改正しました。



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