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国交省 マンションの設計図書、修繕履歴等の情報開示を推進

 国土交通省は平成28年に入り、既設マンションを含む住宅の流通の促進を図るために、次々と新しい施策を展開しています。既設マンションに関係が深い施策は次のとおりです。
1 標準管理規約改正に含まれていた既設マンションの流通促進施策
 平成28年3月14日に、国土交通省の標準管理規約が改定されたことはご承知のとおりです。しかし、私たちマンション居住者は「コミュニティ条項の削除」、「外部役員の導入」、「議決権に価値割合採用」などの項目に気をとられて、改定の中にマンションの流通促進策が含まれていることに気づかれなかった方も少なくなかったのではないでしょうか。

 改正前の規約では、総会議事録、管理規約、会計帳簿等の情報について、宅建業者が持主の依頼を受けて閲覧請求できる規定がある程度でした。今回の改正では、これに加えて長期修繕計画、設計図書、修繕等の履歴情報、使用細則等についても、閲覧だけでなく、必要とする情報を記載した書面の交付も可能とするよう規定が整備されました。(規約64条)
 この流通促進策の導入は、必ずしも批判する施策ではありません。わが国の既存住宅の流通シェアは14.7%と欧米諸国と比べて非常に低く、このままでは、空き家が増える一方になりかねません。適切な流通対策は不可欠です。
2 マンション流通促進対策を含む標準管理委託契約書の改正
 国土交通省は、標準管理委託契約書第14条(管理規約の提供等)と同条関係コメントの改正を提案しています。そして、管理会社は、宅建業者が情報開示を求めてきたときは、管理組合に代わって情報を提供し、相手方から情報開示費用を受領できる規定を追加しました。そうして提供できる情報を、別表第5として新設しました。開示対象の情報項目を、列記していますが、その項目は、約100項目もあります。

 宅建業者には、購入予定者に対する重要事項説明が義務づけられており、必要な情報を記入した書面の交付を管理組合(管理会社)に対し求めることが一般的です。

 管理組合の財務・管理に関する情報を、専有部分の購入予定者や宅建業者に提供・開示することは、トラブルの未然防止、資産価値の向上等の観点から有意義であり、これらの情報が開示されることにより、優良な管理が行われているマンションほど市場での評価が高まることや管理の適正化が促されることが想定されます。しかし、自主管理や一部の業務を委託している管理組合は、自分たちで情報提供せざるを得ません。情報を提供しなければ、流通に支障がある場合もあり、解決すべき課題です。


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