業務知識・判例
熊本地震に学ぶマンションの課題

 平成28年4月14日午後9時20分ごろ、熊本県益城町で震度7、熊本市等で震度6弱の地震が発生し、西日本の広い範囲で揺れを感じました。この地震は気象庁から「2016年(平成28年)熊本地震」と命名されました。
2日後の4月16日午前1時25分ごろに、熊本地方を震源とする地震が発生し、南阿蘇村、菊池市、宇土市、熊本市等で震度7を観測しました。地震の規模は、マグニチュード(M)7.3と推定されます。これが本震でした。地震の被害は、大分にも拡がり、「熊本地震」のネーミングの適切性が話題に上りました。

 熊本地震のマンション被害については、4月14日夜、熊本市で発生した震度6弱の地震で、熊本市中央区の高層マンションが上から下まで直線的にひびが入ったとのTV報道があり、大きな話題となりました。しかし、これはエキスパンションジョイントといって、別々の建物を利用上の利便性等から相互につなぎ合わる技法に則ったものであり、大きな力が加わると動き、離れることは想定内のものと考えられます。

 印象に残ったのは、熊本市西区で1階が潰れかけたマンションの報道です。実際には調べてみないとわかりませんが、1階は駐車場に使っているようでしたから、広く使うために、壁が少なく、独立柱で建物を支えていたのではないでしょうか。これはピロティといって阪神大震災でも大きな被害か出ました。一般的に、ピロティがある建物は、その部分が弱点であり補強が必要です。

 マンションの被害はあまり報道されませんでしたが、内外壁に斜めのひび割れが生じたり、タイル・コンクリート壁の亀裂、玄関扉の変形、家具・TV等の破損などの被害が少なからず発生した模様です。
旧耐震基準のマンションは耐震診断を受けよう
 平成7年1月17日の阪神・淡路大震災では、昭和56年5月以前に建築承認を受けたいわゆる旧耐震基準の建物に多くの被害が発生しました。平成17年3月20日の福岡県西方沖地震(M)7.0も同様でした。
 阪神・淡路大震災後、地質学者の間で「日本列島は地震の活動期に入った」との見方が広がりました。平成23年3月11日の東日本大震災(M)9.0は、この見方を傍証する形になりました。私たちは、これら多くの貴重な経験から、旧耐震基準のマンションは、まず、耐震診断を行い、必要であれば、耐震補強を行うことの重要性を学ばなければならないと思います。

 「旧耐震基準ではマンションの資産価値が低下する」「買い手・借り手」がなくなるなどと心配する時代は去り、「地震に強いマンション」を売りにする時代に入ったのではないでしょうか。

               ◇            ◇

 福管連では、地震を含むいろいろな災害を防ぎ被害を減少させる視点から『福管連 防災マニュアル(CD付き)』を作成しています。ぜひご活用ください。(会員価格2,000円


Copyright(C)2014 PICT. All rights reserved.