業務知識・判例
マンション内で6歳の子どもの迷惑行為は両親に責任
 東京地方裁判所は平成27年2月24日、マンションの賃借人Yの6歳の子どもが行った迷惑行為について、両親の監督義務者としての責任を認め、Yに、約9万円の損害賠償と1万円の弁護士費用、計約10万円を賃貸人Xに支払うこと命じました。

 マンションの賃借人Yは、夫婦と6歳子どもの3人でマンションに住んでいましたが、その子どもが (1) 他人の部屋のドアにマニキュアを付け、(2) 3階の通路付近で大便を漏らし、(3) 3階の通路付近に竹輪と納豆ご飯を放置したことがマンション内に設定した防犯カメラによって確認されました。

 防犯カメラは、今回と同じような事件が前にもあったので、マンションをYに賃貸しているXが設置したものです。
Xは、子どもの行為を理由に、Yに対し、賃貸借契約を解除、マンション内の建物部分の明け渡し、賃料相当損害金の支払い、と6歳の子どもは法律上責任無能力者であるため、親であるYに監督義務者の責任に基づき損害賠償を請求しました。

これに対して、東京地裁では、次の判決を下しました。
(1) 子どもの行為は、不法行為を構成するというべきである。
(2) 子どもは当時6歳であり、民法712条により責任能力を欠いていたものと認められる。その年齢に照らし、親は子どもに対して日常生活において、人の嫌がるものを置いたり、他人の部屋の扉に落書きをしないよう教育・指導すべき義務を負っている。それにも変わらず、長男が上に述べた行為に及んだことは、監督者としての義務を怠っていたというべきであり、民法の不法行為による損害賠償及び責任無能力者の監督義務者等の責任に基づき、損害を賠償すべき責任を負う、として9万2,880円の清掃費用等の損害賠償と弁護士費用1万円を認めました。
(3) 賃貸借契約の解除、マンション内の建物部分の明け渡し、賃料相当損害金の支払いは、長男が当時6歳であり、長男の各行為の内容、程度及び被告は警察からの連絡により、長男から話を聞き、長男に対する監督を強めたという経験に照らし、賃貸借契約の解除の事由があるということはできない。また、建物の明渡し請求及び解約に伴う建物使用損害金は認められないとしました。

                    ◇           ◇  

 同じ屋根の下で住むマンション内での迷惑行為は、他の居住者の方々に迷惑や損害等を与えることがあります。子どもの迷惑行為は、親の責任となる場合もあります。一つのコミュニティとして、お互いに心配りをしたいものです。


Copyright(C)2014 PICT. All rights reserved.