業務知識・判例
考えよう防災の日

 忘れもしない平成17年3月20日(日)10時53分ごろ、福岡市北西約40キロメートルの海底を震源地とするマグニチュード7.0の地震が発生。福岡県内観測史上最大の震度6弱を記録。死者1名、負傷者約1,200人、住宅は全壊133棟、半壊244棟、一部損壊8,620棟の被害。

 あれから10年過ぎました。幸い倒壊したマンションはありませんでしたが、揺れの大きかったマンションでは
(1) 食器やガラス器具が落下散乱して身動きができない
(2) 家具が転倒して怪我をした
(3) 玄関ドアが開かない

等の被害体験が多かったようです。

また、設備関係では、
(4) 電気温水器の固定の不備からタンクが傾き熱湯が階下へ流れた
(5) 高置水槽の耐震化ができていないために水槽の傾きから配管が外れ、給水が止まった

等の被害がありました。

 いかがでしょうか。あれから10年過ぎましたが、これらに対する対策と、各居住者に注意を喚起されたでしょうか。マンションの耐震診断の実施や地震保険への加入は大事な検討事項ですが、次のような日常生活に密着した課題に対する心構えも必要です。
ア)家族分のスニーカーと軍手を袋に入れ寝室に常備しておく
イ)タンスや食器棚の転倒防止策(寝室には置かない)
ウ)玄関ドアのこじ開け用として管理組合で大型のバールを購入しておく
エ)電気温水器等の大型タンクの固定箇所(アンカーボルト)を増加する
オ)高置水槽の耐震化実施する等々です。
 まず自助であり自分の身は自分で守ることが第一です。これができてマンション内の共助に手を伸ばすことができます。
 次に大事なことは、情報の公開と減災についてです。
管理組合の執行部である理事会は、管理組合として防災についてどのような活動をしているか、また、各居住者はどの範囲まで準備・心構えをしていればよいのか。例えば、上記の(1)や(2)は各居住者にお願いすると同時に、1週間ほどの水や非常食、薬等の準備が加わるでしょう。そして、管理組合は(3)(4)(5)等を実施します。更に消防組織や防災組織を整理し、実際に災害発生時にはだれがどのように連絡し行動するのか、周知徹底することが必要です。この組織は緊急時に行動する組織ですから、少なくとも責任者は正と副を決めて、責任者が不在時でも機能するようにしたいものです。

 マンションを「終の棲家」とする考え方が多くなりましたが、居住者が入れ替わるマンションは防災への意識が浸透しにくく、マンションで大切なコミュニティ形成への課題の一面も持っています。このようなことから防災訓練を行い、これを通じて居住者の関心を高め、防災意識高揚を図ることも効果的な方法です。

 福管連では防災士による出前講座を行っております。また『福管連 防災マニュアル』を準備しています。この防災マニュアルはCD付になっていますので、すぐ活用できます。ぜひご利用ください。


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