業務知識・判例
『平成27年10月1日、マンション保険大改定』

 保険料が84万円→708万円という驚愕の値上がりとなる管理組合も! 〜
マンション保険バスターズ
ファイナンシャルプランナー 野瀬ゆみこ
 今回の平成27年10月1日改定は、マンション以外も含めた火災保険全般の改定で、多くの方に多大な影響を及ぼすものとなりそうですが、ここでは、管理組合の契約するマンション総合保険に絞ってポイントをまとめます。

 見出しに掲げた驚愕の値上がりについて少し解説します。これは、福岡市内の築29年、120戸余りのマンション管理組合様、5年契約一括払いの実例です。4年半前に数社比較検討し、最安の保険料(約84万円)で損保会社A社と優良な補償内容で契約しています。満期が来春に到来するため、相見積りをとってシミュレーションしたところ、上記の通り、8倍超の保険料になりました。

 もちろん、漏水の補償など大事な特約を外したり、免責(自己負担)金額を増やせば、安くはなりますが、契約後は請求できない事例が増え、結果的に、管理組合の会計を圧迫することになるため、苦渋の選択です。

 8倍超となるステップをまとめると、(1) 契約中のA社は築年数制限で引受不可のため他社比較、(2) ほぼ同一内容で契約できる保険会社は1社のみ(B社)で約708万円、(3) 免責金額5万円設定のC社ならば約460万円、(4) 更に漏水の補償(個人賠償包括特約)を外せば、約84万円(D社)、となります。

 仮に、個人賠償包括特約を外す決断をする場合、床下配管から下階への漏水など、数十万円単位の思わぬ支出が、区分所有者にいつ降りかかってもおかしくない状態となります。これまでと同様に安心して暮らせる補償状態を作るには、区分所有者及び賃貸居住者全世帯が個人契約で個人賠償保険に加入済みという状況にするしかなく、説明会を開くなど、充分な周知徹底を、保険更新日までに行なわなければトラブルの基となりそうです。

 10月1日の値上がりを待たず、9月中に早期切替えを行なう場合でも、補償内容を落とさざるを得ないのであれば、周知徹底期間を含め残された時間はあまりありません。急ぎ、シミュレーションを行なうことをお薦めします。

 築年数が多く経過した管理組合にとっては不利な改定続きですが、これまでの保険金請求事故についてきちんと分析し、補償内容を落として安く抑える方が管理組合にとって有利なのか、優良な補償内容を維持し高い保険料にて契約する方が有利なのか、真剣に議論すべき時期かと思います。詳しくは福管連までご相談ください。


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