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公営住宅の暴力団排除条例は合憲 − 最高裁 ―

 公営住宅の入居者が暴力団員と判明した場合、部屋の明け渡しを求めることができるとした自治体の条例が憲法に違反するかが争われた裁判で、最高裁判所小法廷は、平成27年3月27日「組員が市営住宅に入居し続けた場合、他の入居者の生活の平穏が害される恐れがある」と指摘。そのうえで「組員は自らの意思で暴力団を脱退できる。条例は公共の福祉の点から必要かつ合理的なもの」として、排除規定は不合理な差別には当たらないとの判断を示しました。

 この裁判は兵庫県西宮市が市営住宅の入居者が暴力団員と判明した場合、部屋の明け渡しを求めることができると規定した市の条例に基づいて、入居契約を結んだ男性に明け渡しを求めたものです。これに対し、男性は「暴力団員に一律に明け渡しを求める条例は差別を禁じた憲法に違反する」と主張していました。
西宮市の条例は憲法に違反しない
 この裁判の判決で、最高裁判所第2小法廷の千葉勝美裁判長は「条例が理由のない差別とはいえず、公共の福祉の点から必要かつ合理的なものだ」として西宮市の条例は憲法に違反しないという初めての判断を示し、男性に明け渡しを命じました。
 全国の自治体は、国が平成19年に示した公営住宅から暴力団を排除する方針を受けて同じような条例を制定していて、この判決はこうした対策の後押しするものとなりました。


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