業務知識・判例
あなたのマンションは合格点ですか
− 福管連版「マンション管理評価基準」を改正 −

 福管連では、平成17年1月にマンション管理の良し悪しを数値で評価できる「マンション管理評価基準」を発表しました。「マンションは管理を買え」といわれますが、管理についての客観的評価基準がないために実際の評価ができませんでした。それで、マンション管理上重要な5本の柱と具体的な25項目を選定し、管理の良否を数値評価できるようにしたのです。

 このマンション管理評価基準は、平成17年7月13日付西日本新聞のトップに「マンション管理 数値化、格付け」と大きく掲載されました。今までマンション管理の数値化の試みはなされたことがありませんでしたので、ニュースバリューがあったものと思われます。国土交通省も、追いかけるように平成17年12月に「マンション管理標準指針」を公表しました。国土交通省の指針と福管連で作成した「マンション管理評価基準」を比較しますと、次のとおり大差はありません。管理のポイントは変わらないということかもしれません。

福管連(平成17年1月)
「マンション管理評価基準」
国土交通省(平成17年12月)
「マンション管理標準指針」
1
 財務基盤の確立  管理組合の運営
2
 タイムリーな維持管理  管理規約の作成及び改正
3
 長期経営計画の推進  管理組合の経理
4
 管理規約の充実  建物・設備の維持管理
5
 管理組合の円滑な運営  管理業務の委託
 福管連のマンション管理評価基準は、発表以来10年が経過しました。その間、制度の変更等に伴うマイナーチェンジはしてきましたが、全般的な見直しはしておりません。しかし、10年前と現時点では、マンション管理についての考え方や処理の方法が変わってきましたので、このたび、評価基準全般にわたって見直しを行いました。

 まず、制度や事務処理の変更、業務の重要性判断の変化等により、項目の追加・削減を行い、評価区分(「良い」「普通」「悪い」)の変更を行いました。例えば、設計図書の電子保管、旧耐震マンションの耐震診断実施済みは、今まで評価に含めていませんでしたが、業務実施の重要性から、「良い」の評価にしました。また、1年以上の滞納は「普通」と評価していましたが、滞納整理の重要性から、今回は3ヶ月以上の滞納で「悪い」と評価するものとしました。

 次に、採点する場合に「よい」とするか「普通」にするか、判定に迷う場合があるから、もう少し詳しく判定基準を解説してほしい、とのご意見が寄せられました。これは、ごもっともでありますので、次のように修正しました。

1 評価項目を、25項目挙げていましたが、類似の項目は統合し、20項目としました。
2 判定基準は、今まで「非常に良い」「良い」「普通」「悪い」「非常に悪い」の5項目でしたが、判定しやすいように、評価を「良い」「普通」「悪い」の3項目にし、可能な限り、数値で判断できるようにしました。
3 「コメント」欄を設け、全評価項目に、具体的に判断方法や内容が理解しやすいようにコメントを記載しました。
4 管理規約は、標準規約に準拠していない組合もありましたので、採用していれば「良い」としていましたが、今回は「普通」とし、暴排条項等の採用の場合を「良い」としました。

 管理組合の皆様、この新しいマンション管理評価基準に挑戦してみてください。
<あなたの管理組合のマンション管理評価方法>
 評価項目は、合計20項目あります。この項目のそれぞれを次の「マンション管理評価基準」により5点から1点までの点数を付け、この合計が総合評点となります。なお、該当しない項目があれば、普通(3点)として評価してください。
マ ン シ ョ ン 管 理 評 価 基 準
評 価 項 目
良い 3
普通 2
悪い 1
コ メ ン ト





1)管理費会計は駐車料を含めずに黒字か 駐車料を含めずに常に黒字
駐車料を含めないと赤字の年もある
駐車料を含めないと常に赤字
管理費会計・積立金会計を区分して経理してなければ黒字でも「悪い」と評価する。
2)積立金は長期修繕計画を実施できる額か 借入れ・積立金アップなく実施できる 一時借入れはあるが、3年以内に返済可 積立金アップまたは借入れが必要 現行の長期修繕計画を資料として評価すること。
3)駐車場収入は全額積立金会計へ繰り入れているか 積立金会計へ全額繰入れ 積立金会計へ50%以上繰入れ 管理費会計へ50%以上繰入れ 注)機械式駐車場の場合は、減価償却費を含めて、独立会計にすることが望ましい。
4)管理費等の滞納はどのくらいか 滞納は全くない。または数ヶ月に1件 3ヶ月未満の滞納は僅かだがある 3ヶ月以上の滞納がある。 注)管理費等回収業務標準日程を作成し、その日程どおりに進めることが望ましい。
5)月次決算は毎月理事会で審議を行っているか 毎月理事会へ報告、審議を行っている。 年6回以上は理事会で審議している 形式的に理事会へ報告のみ。審議なし 管理会社からの月次報告は、毎月審議して財政状況を確認し、必要に応じて対策を実施




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6)定期点検は決められた時期に実施し、チェックする すべて実施。
毎回理事会へ報告審議する
すべて実施。
理事会へは報告のみ
実施しないこともある。報告も形式的 特殊建築物等定期調査・昇降機定期検査・消防用設備点検その他法定外の契約上の点検
7)修繕等履歴情報は継続して整備保管されているか 修繕等履歴情報は継続して整備保管 修繕履歴は第1回大規模修繕から整備 修繕履歴ほとんど整備されていない 修繕等の履歴情報補完については、標準管理規約32条を参照のこと。
8)設計図書等は整然と保管されているか 設計図書等は電子化を含めで保管 設計図書等を保管(電子化はなし) 設計図書類の保管不充分。所在不明あり 設計図書とは、管理適正化法施行規則第103条に定める11種類の図書をいう。
9)共用部分のバリアフリー化、手すりの設置 両方とも実施済み 一部は実施済み、残りも計画中 両方とも計画なし 基本構造部を取り壊さずに、階段にスロープ設置、手すり追加の工事は普通決議事項
10)長期修繕計画を作成しているか 作成し、5年毎に見直している 作成している。見直しは、少し遅れる。 作成していない。または、非現行 長期修繕計画書は国交省監修のガイドラインに従い、標準様式によることが望ましい。






11)規約の整備 当会モデル規約を参考に必要事項を追加 標準規約平成23年改正分までを追加 平成23年改正分は整備していない。 モデル規約の暴力団排除、役員2年任期半数交代、迷惑用途への使用禁止等の追加検討
12)規約等違反行為の適切な対応(例えば騒音、ペット) 違反行為には掲示、注意等実施 違反行為には掲示による注意までを実施 何もしていない。 違反対応体制の誰がどのように対処するかを明確に定めておくことが望ましい。









13)役員の2年任期、半数交代制の実施 2年任期、半数交代理事長は適任者選任 2年任期であるが、輪番制で一斉交替 1年任期の輪番制 輪番制でも、理事長選任には、適任者を選出するルールを定めることが望ましい。
14)管理委託契約の
点検
契約実行と契約内容の妥当性を点検 契約書は標準の内容。業務報告書を点検 契約書に無関心。業務点検なし 標準委託契約書は標準。
組合の実情に応じ内容の追加・修正を行うこと。
15)理事会開催回数、理事の出席率 年11回以上開催、出席率90%以上 年5回以上開催、出席率70%以上 年5回未満開催、出席率70%未満 理事会は、毎月1回開催し、全員出席が基本である。
16)理事会開催時間の適正化 1時間以内に終了が70%以上 1時間以内に終了が50%以上 1時間以内終了が50%未満 特別な場合を除いて1時間以内に終了することが望ましい。
17)総会開催時間の適正化、 2時間以内終了。報告は要領よく実施 2時間以内終了だが、形式的報告多い。 2時間超が多い。実出席は10人未満。 総会運営は管理会社任せにせず、重要な説明や質疑応答は役員が行うことが望ましい。
18)広報紙等の年間発行回数 年8回以上発行 年4回以上発行 発行していないまたは年3回以下発行 広報紙等には、総会・理事会内容周知。広報紙の全員配布を含む。
19)防災・防犯対策の実施 「普通欄」実施のほか、防災組織の整備、備蓄品、居住者名簿、安否確認・連絡体制の整備 マニュアル等の整備、避難場所・緊急連絡先周知、防災訓練、パトロール、防火管理者選任 左の「普通欄」「非常に良い欄」を実施していない。 (注)旧耐震基準のマンションは、耐震診断を行うことが望ましい。実施していれば、「良い」に評価する。
20)イベントの企画、実施状況(防火訓練含む) 年3回実施、参加率60%以上 年1回以上実施、参加率40%以上 実施していない 参加率は、参加者/居住者%により算出する。


20項目の各点数を合計して総合得点を計算 評価項目×5

=    点
評価項目×3

=    点
評価項目×1

=    点
総合点=     点


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