福管連通常総会
記念講演
2011.2.27
− 忘れてはいませんか?マンションの安全対策 −

助け合うまちへ 警固断層に備えて
講師  読売新聞社よみうり防災セミナー事務局長 南 隆洋 氏
地震はいつ起きてもおかしくない!
 6年前に福岡県西方沖地震が起きました。皆さん、福岡にはもう地震は来ないと思っておられる方はいらっしゃいますか?手を上げた方は僅かですね。地震はいつ起きてもおかしくないのです。

 地震の研究で世界的に有名な川田先生が計算しておられますが、2ヶ月に1度は、けが人が出る地震が起きているそうです。先日地震が発生したニュージーランドのクライストチャーチも、昨年6月に地震が起きたばっかりですが、また起きました。2007年に起きた中越沖地震は、前に起きた地震からわずか3年でした。
 1度起きたからもう2度と来ないという予測は全くありません。
玄海島レベルの地震が福岡都心部で起きたら死者1千人
 警固断層を震源とする玄海島レベルの地震が、福岡の都心部に襲ってくるということが研究の結果いわれています。30年以内の発生確率は0.3〜6%。発生確率は脳卒中と同程度で火事の被害や交通事故と同レベルといわれています。

 実際に起きたらどうなるか、福岡県が想定しました。大まかにいうと、全壊1万4千棟、半壊2万棟、死者が福岡都市圏で1千人、けが人が1万4千人、助けが必要な人が1万人、避難する人が6万人も出ると予想されています。
たんすや家具の下敷きなって死亡した人が80%
 基本的に新耐震基準に則った家であれば、まず倒れることはないと思いますが、揺れることは揺れます。高いところほど揺れます。そうしてたんすや家具の下敷きになって死亡する人が、死亡者の80%に達しています。皆さんも家に帰ったら、自分の寝る位置を確認していただきたいと思います。福岡市では、産業技術総合研究所と協力して「揺れやすさマップ」を作っています。これを見ると中心部の中央区、天神地区は真っ赤です。博多駅の近くまで真っ赤です。皆さん、どうぞ対策を練っておいてください。

 また、火災の問題もあります。逃げるときにブレーカーを落としていかなかったがために、火災となって、避難所から家の方を見ると信じられない光景、自分のうちが燃えているということがかなりあります。逃げるときには必ずブレーカーを落としてください。

 復旧までの時間ですが、阪神大震災の場合、電気は6日。ガス・水道は3ヶ月かかっています。オール電化などが進んでいますが、こういったときには役に立ちます。
お互いに助け合う「向こう三軒両隣」態勢確立を
 問題は水です。10階にポリタンクを持って上がることができますか?マンションが倒れなくても避難所のお世話にならざるを得ない状況になってきます。現在水や食料などは、避難所に行かなければもらえないシステムになっています。

 それから、トイレが大変です。トイレで紙を一緒に流すと詰まりますので、拭いた紙はビニール袋に入れます。流す時は、阪神大震災ではまとめてチョロッと流す程度。

 水は米を洗ったとぎ汁で茶碗を洗い、その後の最後の水をトイレに流すという大変な苦労をしています。ご飯を食べる事は我慢できてもトイレは我慢できない。この辺の対応を皆さんで考えていただけたらと思います。

 マンションは、皆同じところに一緒に住んでいますから、地震の時こそお互いが助け合うことができます。現代の向こう三軒両隣はマンションからスタート、そして地域に広げていけば、福岡も安全安心。そんな街を作る取り組みが大切だと思います。(文責福管連)


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