マンションの給排水管改修
(2)マンションの給排水管の寿命と改修工法
◇ 二つの老い ◇

 マンション住民にとって避けては通れないこの問題がクローズアップされて久しくなりますが、最近は現実に直面している管理組合が多くなってきました。
 マンションライフ福岡2010年夏季号の特集として、建物の設備でも特に改修の難しい「給排水管設備改修工事」にスポットを当て、改修工事を施工している賛助会員業者と実際に改修を実施した会員管理組合の取材をしてみました。

 「マンションに住む居住者(入居時平均35〜40歳)と建物は、共に入居後30年が一つの節目ではないでしょうか。高齢化に伴い、病気がちの老人世帯が増加していきます。給排水設備は複雑であり、且つ重要なものです。事故が発生しますと周りの方々にも影響が大きく生活がストップしてしまいますので、事後保全ではなく、早めの計画、実行が必要になります。」

◇ 給排水設備の劣化現象 ◇
 給水管は時代によって、使用されている管材が違っていますが、一般的には塩化ビニルライニング鋼管が現状大半です。その継手部分(コート継手)のネジ切り部よりサビが発生し、サビコブが出来ます。
一方、防腐型の継手(コア継手)の採用は昭和61年頃ですが、マンションには近年まであまり採用されていないのが現状です。

 このように使用されている管材によって、その劣化のスピードは違ってきます。
排水管も同様で、使用されている管材、例えば白ガス管(炭素鋼鋼管)であれば、油脂分を除害せずに流した場合、短期間に閉塞により流れの不具合が発生すると共に堆積物の下部より腐食が進行します。
又、一部において、管の内外より腐食現象が起こります。

 最近目につくのが、埋設配管(地中などに埋設されている配管)の不具合で、土圧に対する外圧強度のほか建物や地盤の不等沈下及び地震、植栽の根による閉塞などが原因となっています。
◇ 給排水設備の寿命 ◇

▲築20年専有部給水管状況

▲築24年専有部給湯管状況
給水設備
FRP製受水槽・高架水槽 20〜30年
給水ポンプ 12〜18年
塩化ビニルライニング鋼管(コート継手) 25〜30年
(コア継手) 30年以上
排水設備
亜鉛メッキ鋼管 20〜30年
塩化ビニル管 30年〜
鋳鉄管 50年〜
◇ 給水方式について ◇
 高架水槽方式、加圧給水方式に加え最近特に需要が多くなってきたのが、直結増圧方式で、この方式は水道本管の水圧(水圧が不足する場合はポンプで加圧して)を利用して直接各住戸に新鮮な水道を供給する方式。地域により採用不可の場合もある。
◇ 給排水設備の改修工事の実際 ◇
 改修工事には、大きく分けて、更生工法、延命工法、更新工法に区別できます。
・更生工法 現在の給水管、排水管の中を研磨材で洗浄し、サビ、スライム、スケール油脂類等を除去し、エポキシ樹脂を塗布する。あくまでも延命対策の一つです。
・延命工法
 給水配管の延命処置として、脱気処理、薬品処理、磁気処理等数多くのメーカーが種々の工法を開発しています。
・更新工法 現在の給水管、給湯、排水管を全面的に最新の管材に取替える改修工事になります。
◇ 2つの工法の長所と欠点 ◇
延命・更生工法
<長所>
更新工法に比して割安感はあり、工事日数、解体復旧の手間が少ない。
<欠点>
延命措置のため、将来は再度改修が必要となる。保証期間は一般的に10年間となっている。配管の劣化状況では工事できない場合もあり、品質のチェックに限界あり。
更新工法
<長所>
給水管、排水管、給湯が最新の管材を使用され、安心感が得られる。問題の継手も腐食による劣化もない。
<欠点>
工事費、工事日数、騒音が発生する。
【資料提供 株式会社岩丸産業】

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