管理規約の届出義務規定等無効の訴え
− 最高裁 不動産業者からの上告不受理・棄却の決定 −
 最高裁は、平成21年11月10日、当会正会員管理組合に対して、その一区分所有者である福岡市内のA不動産業者が起こした訴訟の上告について、「本件上告を棄却する。本件を上告審として受理しない。」との決定を下しました。Aは、管理組合が行った管理規約の改正について、次の点が無効であるとして、平成19年9月20日福岡地裁に提訴していました。

(1) 専有部分の修繕等を行う場合は、20日前までに理事長に届出、承認を受けること。
(2) 専有部分を第三者に譲渡・貸与する場合は、20日前までに理事長に予告届を出すこと。
(3) 管理組合は、予告届を検討の結果、譲渡・貸与の相手方が暴力団等共同の利益に反する行為や共同生活の秩序を乱す行為をするおそれがあると判断したときは、譲渡・貸与の中止勧告ができること。
(4) 区分所有者が(3)の中止勧告に従わなかったり、無届出、虚偽の届出をした場合に、譲渡・貸与を受けた者が共同の利益に反する行為等をしたときは、区分所有者は損害賠償等の責任を負うこと。
(5) マンションに居住していない区分所有者からは特別管理費を徴収できるとしたこと。
(6) 管理組合役員は、マンションに現に居住する区分所有者またはその配偶者、一親等の親族のうちから選ぶとしたこと。
(7) 管理組合が本マンションの福祉(高齢者・障害者等)に関する業務を行うと定めたこと。

 その理由は、修繕等の届出は、財産権の使用、収益、処分を制限するものである、区分所有者に連帯責任を負わせるのは無過失責任をおわせるものである、居住者と非居住者の差別である、福祉は管理組合の目的外の業務である、さらに特別の影響を受ける者の承諾がない等というものでした。

福岡地裁・福岡高裁ともA不動産業者の「請求を棄却」
 これに対して、福岡地裁・福岡高裁とも(1)から(7)までのいずれの請求も否認しました。その理由は、修繕等の事前承認は、工事による躯体や他の住戸への影響、防災・防音・耐力の調査のため必要である。予告届や誓約書の提出も合理性がある。特別管理費は非居住区分所有者に過大な負担を課すものではない。

 譲渡の届出は、専有部分の使用・管理に係る共同利益違反行為を防止するものであり、建物の使用・管理に関するものである。改正規約はすべての者に等しく及び、一部の区分所有者の権利に特別影響を及ぼすものではない、福祉は区分所有者全体の利益となるなど、管理規約の正当性が認められました。


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