<判例探索> 理事長の助っ人になる判例の紹介(10)
新区分所有者は前区分所有者の賃借人が滞納した水道料等を支払え

 福岡にあるンションの一室を購入した新区分所有者が、前の区分所有者の賃借人が使用した水道料15ヶ月分15万3107円は賃借人が支払うべきであるとして支払をしませんでしたので、管理組合は、「水道料立替金15万3107円、年18%の割合による遅延損害金8万3000円及び弁護士費用10万円、合計33万6107円」の支払を求めて福岡簡易裁判所に提訴しました。

 このマンションの管理規約では、(1)組合員の「水道料を含む管理費等」の納入義務、(2)遅延損害金は年率18%、(3)法的措置に要した費用は弁護士費用を含めて滞納者が全額負担の定めがあります。なお、管理規約に「管理費等(水道料を除く)は、貸与第三者に占有させる場合においても、組合員が第69条(管理費等の徴収)に基づき納入するものとする。」と定められていますので、滞納者は、この点をとらえて、「水道料は賃借人負担」と主張したのです。

 しかし、裁判所は、「この規定は、管理費は毎月徴収、水道料は検診して徴収するという徴収方法の規定」であり、水道料は賃借人負担と定めたものではないとしました。そうして、弁護士費用の額は7万円を相当とし、他の請求はすべて認めて、合計30万6105円の支払を命じました。(福岡簡裁・平成13年6月5日判決)

 水道料支払を巡る裁判は、大阪でも行われました。ここでは、専有部分の水道料は区分所有法に定める債権ではないので、マンションを競売で買い受けた区分所有者に支払義務はないとするものです。

 しかし、大阪高等裁判所は「このマンションでは、水道局の各戸検診は認められていないので、管理組合が立替払をすることは必要不可欠であり、買受者が承継する」として、滞納水道料の支払を命じました。(大阪高裁・平成20年4月16日判決)


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