マンショントラブル対処の定石(1)
NPO法人福岡マンション管理組合連合会 
理事長 杉本 典夫
 

(1) トラブル対処に定石が・・・

 20年間、マンションに関するご相談をお受けしていますが、その経験からトラブルへの対処方法に一つの定石があると思うようになりました。囲碁や将棋のように最善の手とは言いませんが、早く楽に解決の方向に向かうことができるパターンといえます。そのポイントを紹介します。


(2) ペット飼育問題
  1. マンションでのペット飼育に関する判例は「具体的な被害の発生の有無を問わずに一律に禁止する規約でも有効である」との立場で一貫している。
  2. しかし、ペットが人の生活に潤いと喜びを与えるとして隠れて飼う人も少なくない。
  3. 逆に、動物の毛などにアレルギー体質の人や理屈抜きに動物嫌いな人もいる。
  4. とくにマンションは、構造上、隣近所が接近しているために、臭いや鳴き声などで近所に影響があり、問題が生じやすい。
  5. 高齢社会を迎え、ペット飼育を認めよとの声も出ており、ペット飼育禁止を貫き通すだけでよいか。
  6. ある程度の飼育要望の声や隠れて飼っている住戸がある場合は、アンケート調査を行い、その実態と組合員の総意を確かめる。
  7. 飼育を認めない場合でも、一切禁止する方法と一代限りは認めて、後は認めない方法がある。
  8. 飼育を認める場合は、他人に迷惑を与えないようにキメ細かく配慮した飼育ルールが必要である。
  9. 飼育承認後にルールを守らない人には、組合として飼育禁止を指示する。
  10. ペット飼育に関しては、認めるにしても認めないにしても、細則でなく規約で定めるべきである。

(3) 騒音問題
  1. 音をうるさく感じるか、感じないかは個人差や発信元との人間関係に大きく影響される。それだけに、日ごろからコミュニティ形成は大切である。
  2. しかし、音が我慢の限度を超える場合、コミュニケーションの充実だけでは解決が困難である。
  3. 騒音計により客観的に測定し数値を示すことにより、問題解決に一歩近づく可能性がある。
  4. 裁判例では、 騒音のレベル(数値)を用いて我慢の限度を判断している例も多く、地方自治体でも条例で騒音の規制基準を規定する傾向にある。
  5. 騒音問題は、まず、管理組合または管理組合が、掲示、回覧などで一般的な注意を促す。
  6. それでもとまらなければ管理組合または管理会社が騒音元に行き、騒音でクレームが出ていることを話す。騒音計による測定も提案してみる。
  7. ここまできても相互の意見が対立し、歩み寄りが見られない場合は、後は、当事者の判断に任せる。
  8. 場合によっては、外部専門家の相談を勧める。


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