正しい総会を開く心得10か条
中島法律事務所
弁護士 中島 繁樹

 総会でお花見をすることと決めても、参加したくない人はしなくて済みます。総会で大規模修繕の計画のために修繕委員会を作ろうと決めても、個々の組合員には関係ありません。

 しかし、個人の利益に関係する事柄は、正しい手続きで進めていかなければ、総会決議が無効になってしまうことがあります。


≪第1条≫ 総会は、集まって議論する場とすること。(規約42条3項4項)

 あるマンションでアンケートを取ったら、賛成が4分の3を超えたから、書面で決議したことにしましょう、ということになった。

 しかし、これは間違いです。集まって決める必要があります。欠席の方からは委任状を取ればよいのですが、参加者が2人以上なければ、集まったことにはならないでしょう。ただし、例外がありまして、それは、書面決議です。これについては全員の承諾がいります。

≪第2条≫ 「総会議決事項」は、きちんと定められた手続を踏むこと。

 お花見のイベントを計画したり、修繕委員を決めたりするような、総会の議決事項として定められていないものは、決議が無効とされても困ることはありません。

 しかし、法律で総会議決事項と決まっているのにそれを総会で決めなかった場合のように、決める手続きに欠点があった場合には問題が起こります。

 標準管理規約第48条には総会議決事項として、 収支決算及び事業報告、収支予算及び事業計画、規約及び使用細則等の制定、変更又は廃止、長期修繕計画の作成又は変更など15項目が挙げられており、これはきちんと総会で決議する必要があります。

《第3条》総会招集のときは、会議の目的たる事項(議題)を示すこと。

 会場で突然の決議はできません。あらかじめ通知した議題のみ決議できます。規約改正や共用部分の変更など、特に重要な事項については、議案の要領も前もって通知しておかなければなりません。

 議案の要領では、事前に賛否の検討が可能な程度には具体的な内容を示しておく必要があります。

《第4条》代理人は資格要件を満たした者とすること。

 このトラブルは非常に多い。代理出席の資格と方法については、十分注意する必要があります。本人の代わりに奥さんが出席する場合など、顔見知りでも委任状は出してもらってください。

《第5条》総会開会に必要な定足数は、標準管理規約では、議決権の半数以上の出席となっています。

 定足数の確認をするときにはっきりしなくてはいけないことは、実際の出席者○名、代理人による出席○名、議決権行使書による出席○名、この3つの種類による出席数をきちんと分けることです。議長さんは、この合計が議決権総数の半数を超えていれば、「総会は成立しました。」と最初にはっきりと宣言してください。

《第6条》理事長が議長となること。

 管理規約に「総会の議長は、理事長が務める。」と書いてあれば、理事長が議長にならなければなりません。

《第7条》決議に当たっては、表決数を確かめること。

 普通決議は過半数、特別決議は組合員と議決権総数の4分の3以上(建替え決議の場合は各5分の4以上)の賛成が必要です。数をきちんと把握しておくことが重要です。

 組合員の中に大きな不利益を被る人がいる場合は、その人の承諾が必要となりますので、注意してください。

《第8条》審議は(1)提案、(2)質疑、(3)討論、(4)採決の順とすること。

 なお、提案は、組合員の理解を得られるように要点を説明します。時間を節約しようとするときは、複数の議案を一括して審議する方法があります。

≪第9条≫議長は結論をはっきり示すこと。

 「採決します。」とはっきりいいましょう。

 討論で誰も反対しないこともありますが、「反対の方いらっしゃいませんか。」と聞いて、反対がなければ「全員賛成と認めます。」とはっきりいってください。

 最後に大事なのは、第○号議案は可決(否決)されました、とはっきり宣言することです。

≪第10条≫議事録はその記載だけで内容がわかるように書くこと。

 後から裁判になったときには、議事録の記載内容によって勝敗が決まると思ってください。全員一致で可決された、とはっきり書いておきましょう。
(福管連注:「総会の正しい開き方セミナー」から抜粋)


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