マンション上階の子供の騒音に36万円の支払を命じる
− 平成19年10月3日 東京地裁判決 −

 マンションで発生するトラブルの上位にあげられるのが、騒音の問題です。

 東京地裁では、マンションの上階に住むBの子供の廊下を走ったり、跳んだりする音が、階下の居住者Aの社会生活上我慢する限度を超えているとして、Bに対して、慰謝料30万円と弁護士費用6万円の支払を命じました。

 実際の騒音だけでなく、騒音被害を申し出たAに対して、子供の父親Bが「これ以上静かにすることはできない、文句があるなら建物に言ってくれ」と乱暴な口調で突っぱね、Aの申入れを取り合おうとしなかった不誠実な対応も考慮され、上記の判決が出されました。

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 このマンションは、東京都墨田区に昭和63年6月ころ建築されました。2階の床の構造は、150mm厚のコンクリートスラブで、重量床衝撃音遮断性能がLH−60で、日本建築学会の遮音性能基準によれば、遮音性能がやや劣る水準にあります。子供の飛んだり跳ねたりする音は下に響きますので、注意して生活する必要があります。

 このマンションの1階に住むAは、2階にBの妻及び当時3〜4歳の長男が入居してきた平成16年4月以降、B宅からの騒音に悩まされるようになりました。Aはマンションの管理人に相談し、まずマンション管理組合名で、子供による騒音に注意するように呼びかける書面を各戸に配布しましたが、騒音は改善されませんでした。Aは再び管理人と相談し、騒音に対し配慮をお願いする旨の手紙を直接Bに送りましたが騒音は続きました。

 そこで、AはB宅を訪ね話し合いましたが、Bはこれ以上静かにすることはできないとして相手にしませんでした。それで、Aは、騒音の差止め及び損害賠償を求める調停を求めましたが、Bはこれにも応じないため、平成17年本訴訟を提起しました。

 この提訴に対し東京地裁は、被告Bは原告A住戸に音の被害が及ばないよう、被告Bの長男をしつけるなど住まい方を工夫し、誠意のある対応を行うのが当然であるのに、乱暴な口調で突っぱねたり、原告Aの申し入れを取り合おうとしなかったその対応はきわめて不誠実なものということができ、以上の諸点を考慮すると、本件騒音は、一般社会生活上原告Aが受忍すべき限度を超えるものであり、原告Aの苦痛を慰謝すべき慰謝料等として36万円が相当である、との判決を下しました。

 フローリング騒音で出された判例はありますが、生活上の騒音による判例で、しかも原告勝訴の判決は珍しいのではないでしょうか。



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