<判例探索> 理事長の助っ人になる判例の紹介(8)
競売でマンションを買った人も前所有者の滞納管理費の支払義務がある

 競売物件を取得した宅地建物取引業者などが、管理組合に対して「組合がきちんと請求しないのが悪い。前の分は前の区分所有者に請求せよ」とか「遅延損害金は払えない」などといって、滞納額をスンナリと支払わないケースがあります。

 今回紹介します判例は「競売によって区分所有権を取得した者も、過去の滞納管理費の支払義務がある」としたものであり、実務上苦労されている理事長や役員の心の支えになるものです。

 この事例は、管理費を滞納している区分所有権について、抵当権が実行され競売により取得した者に対して、管理組合が滞納管理費等、遅延損害金及び弁護士費用の支払を請求したものです。

 競落者は、競売で取得する場合は区分所有法にいう特定承継人に該当しないなどと主張しましたが、判決では、競売で取得した者も区分所有法8条の「特定承継人」に該当する、したがって過去の滞納管理費等の支払義務があると明快な判断をくだしました。

 区分所有法8条が他の区分所有者に対して有する債権について特定承継人に対しても行うことができると規定したのは、その者は滞納していても他の区分所有者が支払った資金で修繕になどを行った場合は建物全体の価値に加わっている。まだ費消されない場合は管理組合の財産になっているからである。したがって、区分所有者の特定承継人も支払責任を負うことは当然であると判示しました。

 そうして、管理費、修繕積立金及び敷地使用料の全額である468万0,196円、弁護士費用として45万円並びに管理費、修繕積立金及び敷地使用料について、各月分の支払期(前月27日)の後である各月1日から平成8年10月31日まで年14パーセントの割合による遅延損害金の支払を命じました。(東京地裁 平成9年6日26日)



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