<判例探索> 理事長の助っ人になる判例の紹介(7)
管理費等の3ヶ月以上滞納者は規約等に定められた遅延損害金・弁護士費用も支払え

 Y区分所有者が管理費・積立金等を平成4年8月分から平成6年5月分まで、合計金額24万1,878円を滞納したために、X管理組合は福岡地方裁判所小倉支部に支払いを求めて訴訟を提起しました。

 X管理組合の規約には、「延滞損害金は日歩5銭(年率18.25%)」及び「区分所有者が管理費等の支払いを3ヶ月以上滞納した場合は法的手続きを弁護士または司法書士に依頼することができ、その場合の弁護士または司法書士の報酬及びそれに関する一切の諸経費は、当該滞納者の負担とする」と定められていました。

 Y区分所有者は、滞納理由として「管理組合は、共用部分及び専有部分に違法に設置されている掲示板、看板、広告等の撤去を要求せず、また、階段の踊り場等に自転車が放置されているのに何の措置もとらないまま管理費用を請求するのは権利の濫用」として支払をしなかったのです。

 裁判所は、管理組合が共用部の管理を十分しなかったことは認めましたが、それは役員の忠実義務違反として、総会を招集し役員解任手続きをとるべきであり、管理組合が管理費を請求することが権利の濫用として管理費を滞納するのは失当であるとして、滞納管理費と、年18.25%の割合の金員の支払い及び弁護士費用8万円の支払いを命じました。

 管理組合の行動を批判し、管理費等を滞納する事例は時たま見受けられますが、それには総会招集による役員解任手続きによって対処すべきであり、管理費等の滞納をするのは失当(見当違い)としたのです。(福岡地裁小倉支部 H6.8.4判決)



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