<判例探索> 理事長の助っ人になる判例の紹介(4)
床面積に2倍以上の差があっても管理費等の均等負担は違法でない

 5棟309戸からなる団地管理組合で、専有部分の床面積が40.54m2から86.67m2まで2倍以上差があるにもかかわらず、規約で管理費、修繕積立金の負担は均等であると定めていました。

 1組合員は「区分所有法で管理費等の負担は持分に応じて決められなければならない。規約で別段の定めができるとしても、それは合理的理由や算定基準が明確にされなければならない。それもなされないで均等に負担させられ、34万円余の損害を被ったので損害賠償をせよ」との訴訟を、札幌地裁に起こしました。

 札幌地裁では、「区分所有法で費用負担は規約で別段の定めをすることができると定められており、各共有者の負担をどのようにするかは、それぞれの組合の自治に任せるものと理解することができる。その決め方の合理性、算定基準、具体的額はどのように決めるかなどは、(裁判でなく)総会で論議される問題である。」として請求を棄却しました。

 控訴審の札幌高裁においても、地裁の判決は正当であるとして、控訴を棄却しました。

 法的解釈はこのとおりでしょうが、建替え時の権利や維持コストを考えると、2倍の差があっても均等負担することは適切であるかの疑問は残ります。この組合も、その後、管理規約を「管理費等は共有持分等で算出する」と改めました。(札幌地方裁判所 平成9年9月11日判決 札幌高等裁判所 平成10年9月30日判決)



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