<判例紹介>
タイルの剥離・剥落発生に売り主の瑕疵担保責任に基づく
損害賠償が認められた事例

 福岡高等裁判所は平成18年3月、北九州市内の260戸のマンションに住む6名の区分所有者が控訴した新築間もないマンション外壁タイルの多数の剥離・剥落と1年4ヶ月に及ぶ補修工事の損害賠償事件について、売り主D社の瑕疵担保責任に基づく伴う損害賠償を認め、78万円から248万円を支払えとの判決を出しました。


弁護士費用も支払えとの判決
 外壁の剥離・剥落を売り主は竣工前から知っていた可能性があり、入居して1年ないし2,年で大規模補修工事を行い、施工方法もピンニング工法を採用するなど完全な回復を図っていないので交換価値の低下は建物価格の5%をくだらないと裁判所は認めました。また、補修工事に伴う騒音、粉塵等による生活被害の精神的苦痛に対する慰謝料も認めました。

 さらに、区分所有者は弁護士に訴訟を委任しましたが、日本の裁判制度では、本人訴訟を原則としていますので、勝訴しても弁護士費用を相手に請求することができないのが基本です。

 しかし、今回のようなマンション分譲における売り主の瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求は、その責任や損害の有無及び損害額の主張、立証など極めて難しい問題を含んでおり、交通事故や医療関係訴訟と同様、訴訟の中でも極めて専門性ないし難度の高い部類に属するものであり、本人訴訟では訴訟を適切に遂行することは不可能として、弁護士費用も損害に含まれるとして、支払いを命じました。


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