<判例紹介>
「深夜にわたり騒音、振動を発する行為は共同の利益に違反」

− マンションの賃借契約解除と競売を認める判決 −

最近は、マンション内でのトラブルが増えていますが、このたび悪質な義務違反者に対する厳しい判決が出ましたので紹介します。


 母親所有のマンションに住んでいた長男が、深夜にわたり、繰り返し大声で叫んだり、騒音・振動を発生させて近隣に迷惑をかけ、また、配管洗浄や消防設備点検の業者を部屋に入れなかった事例について、平成17年6月21日、東京地裁は、共同の利益に反する行為なので、専有部分を明け渡せとの判決を下しました。

 あわせて、区分所有者である母親にも、管理組合から長男の迷惑行為を止めさせるように申入れを受けたにもかかわらず、かえって長男が被害者だと主張し、マンションには1回も来なかった上に、管理費等を滞納したことは悪質であり、区分所有権を競売してよいとの判決を出しました。

 共同利益違反行為に対しては、区分所有法57条から60条までにおいて、違反行為の停止、建物使用禁止、競売、借入者の明渡しが定められています。

 そうして、今まで暴力団関係、過激な宗教団体、多額の管理費滞納、居酒屋の深夜営業禁止問題で、この法律の適用が認められた判例があります。平成8年5月、東京地裁で、住民を大声でどなったり、威したり、他人のドアを長時間蹴ったりして20件以上の悪行状があった賃借人に明渡しを命じた判例があります。

 今回の判決は使用借人の息子に明渡しを命じただけでなく、区分所有権の競売もあわせて認めた点に、新しい意義があります。


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