<判例紹介>マンション販売業者に賠償命令
− ペット飼育をいいといったり禁止といったり 使い分け?! −

 マンションにとって、ペット飼育問題はトラブル発生ワースト5の一つです。これは、初期販売時点で作成された原始規約に「人に迷惑をかける動物の飼育禁止」といったあいまい規定を設けたり、セールスマンが売らんがために相手により飼育可といったり、不可といったりすることが大きな原因です。
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 大分市内で平成14年8月に15階56戸のマンションが新築されました。このマンションの原始規約には、ペット飼育に関しては、可とも不可とも書かれてありませんでした。

 Aさんは、動物とくに犬に対しては恐怖心を持つほどのペット嫌いです。セールスマンが「このマンションは、ペット類を飼育できる造りになっていないから、ペット飼育は禁止です」といったので、このマンションを買いました。

 一方、Bさんは子供がいないので犬を家族の一員のように可愛がっていました。セールスマンはBさんに対しては、ペット飼育ができるといってマンションを販売しました。

 その後管理組合が、総会を開き「ペット飼育は今飼っているペット一代限り可」と決議しました。このためにAさんとBさんはマンション購入に際して、セールスマンから「ペット飼育に関しては全く別の不十分な説明を受け、精神的苦痛を受けた」として、このマンションの販売会社に対して、それぞれ損害賠償を求めて大分地裁に提訴しました。
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 大分地裁(瀧岡俊文裁判官)は、平成17年5月30日、「マンション販売会社がペット飼育について、販売時期によって異なる説明をして、正確な情報の提供を怠ったもので、2名に対する不法行為が成立する」として、Aさんに対しては11万円、Bさんに対しては90万円の損害賠償を命じました。
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 大分に限らず、マンション販売に当たってセールスマンがこのように相手によって、ペット飼育可といったり、不可といって販売するケースがありますが、これに警鐘を鳴らした判決といえます。



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