管理費滞納でマンションの競売を認める画期的判決
― 当会顧問 松坂徹也弁護士のご努力実る! ―

 福岡県内にあるAマンションの区分所有者Yは、管理費と修繕積立金47か月分合計75万円を滞納したために、当会正会員管理組合Xは、Yに対して支払を求める訴訟を提起しました。結果は、Yが滞納管理費等を毎月2万円ずつ支払い、今後も滞納しないとの約束で和解が成立しました。しかし、Yは24万円支払っただけで、後は、滞納管理費だけでなく毎月支払うべき管理費等も滞納しました。

 Y所有のマンションには2700万円の抵当権が設定してあり、通常の訴訟を提起して勝訴しても滞納管理費等を回収することはできません。Y管理組合は、当会顧問松坂徹也弁護士と相談して、区分所有法59条に基づくマンションの競売を求める訴訟を提起しました。この方法によると、競売により新しい区分所有者が誕生し、滞納管理費の支払義務が承継されるので、そこから管理費等を回収することが狙いです。
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平成16年3月30日に判決は言い渡されました。
判決では次のとおり述べています。

  1. 管理費等の不払いが継続すれば、建物の管理等に支障を来たすことになる。したがって、管理費等の不払は、その期間や額等によっては、建物の管理または使用に関し、区分所有者の共同の利益に反する行為であり、区分所有者の共同生活上の障害になる。

  2. 被告(Y)は、分割払を約束した滞納管理費等の未払額が51万円あることに加え、和解後の管理費等33万円不払となっている。被告による管理費等の不払は、区分所有者の共同の利益に反する行為であり、これによる区分所有者の共同生活上の障害が著しいものと認められる。

  3. 被告は、和解が成立したにもかかわらず、支払を怠っていることからすれば、今後も任意の支払を受けられる可能性は乏しいので、競売以外の他の方法では、滞納を解消することは困難と認められる。

  4. よって、被告の区分所有権及び敷地権について競売を申し立てることができる。
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 今までも、滞納額が1千万円を超えるなど多額の滞納では、競売が認められた判例もありますが、100万円程度で競売が認められたのは、初めてではないかと考えられます。松坂徹也弁護士のご努力の成果といえます。

 最近は、管理費等の滞納が増加しています。判決にもありますように、管理費等の滞納は、マンションの管理に支障を来たすことになります。同じ屋根の下の区分所有者に対する裁判は嫌だといわれる理事長もおられますが、管理費等はマンションの税金です。滞納管理費回収標準日程を定め、誰が理事長になろうと淡々と日程に従って、公務を果たす態勢作りが必要です。


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