販売業者は騒音・振動の補修費を1150万円支払え
−欠陥マンションに厳しい判決・福岡地裁−

 平成16年3月3日付西日本新聞および毎日新聞によりますと、福岡県粕屋郡に建てられたマンションの一購入者が、その部屋の振動や騒音がひどいとして、販売元の「作州商事」(本社・福岡市)に販売代金 2580万円を返せ、もしそれが認められない場合でも補修費用1150万円を支払えとして、訴えを提起していましたが、3月2日に福岡地方裁判所(大西忠重裁判官)で判決がありました。
 判決では、販売代金2580万円の返還は認められませんでしたが、振動や騒音を軽減するための補修費として1150万円の支払を作州商事に命じました。

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 原告は、床スラブが15センチメートルあり、振動の軽減、遮音性で優れていると信じたために本マンションを買ったと主張しましたが、すでに7年間住んでおり、証拠から見て床スラブ厚や振動・騒音を重要な要素としてマンションを買ったとの主張は採用できないとして、販売代金の返還は認められませんでした。

 しかし、階下の住人が軽く飛んだだけでも、上の階に振動が伝わるなど、不具合があり、一方、販売時のパンフレットに「階下の人にも迷惑をかけないフリースタンバー工法。振動音は軽減され、遮音性、保温性が高められます。」と書いてあることから、原告の部屋の振動の軽減や遮音性の点で瑕疵があると認めました。そうして、直接の補修費用として1054万円、引越費用45万円、仮住まいの費用として51万円必要であるとして、合計1150万円の支払を作州商事に命じたものです。被告作州商事は、この判決を不服として高等裁判所に控訴しています。

業者と行政サイドは反省と改善を!

 騒音問題はマンションの大きな悩みです。国交省の平成15年度マンション総合調査によりますと、騒音はマンショントラブルのワースト2です。騒音の原因は、住まい方にもありますが、もっとも大きな原因は設計レベルです。この裁判になったマンションでは、階下に伝わる床衝撃音を軽量音でL−60の設計がなされたそうですが、とんでもないことです。L−60は、住宅金融公庫の軽量床衝撃音遮断性能によると「発生音がかなり気になる。上階住戸の生活行為がわかる。スリッパの音がよく聞こえる」との生活実感レベルです。これではマンション生活はできません。それを「階下の人にも迷惑をかけない」とパンフレットに書いていたのです。

 今回の判決は、今までの判例と比べると販売業者にとって厳しいものです。しかし、生活者(消費者)にとっては当り前、あるいは甘い判決でもあります。この判決を教訓として業者及び国土交通省等行政サイドの反省と改善へ向けての取組みを要望します。


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