給排水設備の本格的改修工事見学記
−増圧直結給水方式への変更も実施−

 生の松原住宅管理組合様(福岡市西区)のご好意により、さる11月15日
(土)に給排水管の本格的改修工事の見学会を開催することができました。
 当日の見学会には、約40名の参加があり、工事概要説明に引続き、工事現場見学、質疑応答などが行われました。今回の改修工事は、非常に順調に進められていますが、これは、生の松原管理組合理事長川越康博様のリーダーシップのもとに理事会と修繕検討委員会の見事なまでの連携と、居住者の皆様の声をよく聞き問題点はすべて解決して前に進むといった取組み姿勢に大きな原因があるものと考えられます。
 各マンションでも建物の大規模改修は順調に進められるようになりましたが、給排水管の全面更新工事はほとんど行われておりません。その意味で今回の見学会はご参加の皆様には、非常に参考になったものと思います。参加できなかった皆様には、紙面を借りてその概要を報告いたします。
 最後になりましたが、今回の見学会にご協力いただきました生の松原住宅管理組合・修繕検討委員会の役員の方々及び居住者の皆様に厚く御礼を申し上げます。

(文責 理事長 杉本典夫)

<マンションの概要>
● 建物名称  生の松原住宅
○ 所在地 福岡市西区生の松原3−8
● 竣工年 昭和52年(建築後27年)
○ 構造規模 鉄筋コンクリート造 6棟 地上3階 60戸 
<改修工事の概要>
設計監理 (株)松澤建築設計事務所
請負者 福岡市住宅供給公社
工事担当 株式会社 岩丸産業

1)工事の特徴

  1. 給水設備、排水設備は、雨水・汚水排水立管を除いてすべてを取り替える全面的更新工事。給排水管専有部分の改修を管理組合工事として実施(浴室内給排水管はオブション)。

  2. 専有部分の給水管、給湯管は、サヤ管ヘッダー方式を導入、配管は架橋ポリエチレン管を使用
    (注)サヤ管ヘッダー方式とは、専有部分の給水管、給湯管をそれぞれ1箇所のヘッダーに集中させ、そこから配管をそれぞれの水廻りに分岐する集中管理システムです。修理が床をはがさずにできるうえ、同時に複数の箇所で水を使用しても、水圧の変動が少なく、安定した水量を確保できます。
     これまで使われていた金属製の配管は、長期間の使用によってサビが発生したり、腐食によって水質が低下するなどの現象がありましたが、架橋ポリエチレン管は炭素と水素のみで作られた素材で、サビが発生せず、製品寿命も50年といわれています。さらに、パイプの外側を守るサヤ管は結露を抑制する長所があります。

  3. 給水システムは、今までの高架水槽方式を増圧直結方式に変更 
    (注)増圧直結給水方式とは、水道本管から引き込んだ水を、直接、増圧給水設備(ポンプ)で各住戸に給水する方式です。受水槽および高架水槽が不要となります。

  4. 給水管口径が25ミリを20ミリに変更。これにより、水道基本料金が、1戸当たり年間21,360円(1780円/月・戸)の節減となりました。

2)工事への取組み

  1. 修繕検討委員会の提案
      水道設備の改良について、平成11年から検討を開始しましたが、平成14年6月に入り、修繕検討委員会において平成10年作成の長期修繕計画を全面的に見直すことなどを提案しました。それには、給水方式の検討(前年度加圧給水方式の検討・当年度増圧直結給水方式を検討したが、この時点では水道負担金の免除がなく結論先送り)、管理組合の総会対策、工事費の検討、専有部分を管理組合負担で実施するかどうか、管口径変更、専門家(パートナー)の必要性などが含まれていました。
      組合員の意向を掴むためアンケート調査をよく実施しました。

  2. 修繕検討委員会で東区香椎「よろい坂団地」設備改修工事現場を見学

  3. 給排水設備調査診断を(株)松澤建築設計事務所に委託することを決定

  4. 平成14年9月 給排水設備調査診断を開始、10月報告書提出

  5. 同年12月 臨時総会で専有部分内の給排水管の改修を管理組合工
    事で実施することを決定。設計監理契約締結。修繕検討委員会から理事会に「大規模改修工事への要望書」を提出など工事に向けでピッチ上がる。

  6. 平成15年4月 入札参加業者6社を役員会で決定、現場説明会を実施。

  7. 同年5月 総会で施工業者及び工事費承認。借入金は、変動が見込まれるので暫定として承認(最終1600万円を三菱電機クレジットから借入れ)。総会終了後工事説明会開催。

  8. 同年6月 臨時総会を開催し、長期修繕計画を承認。

  9. 同年8月 大規模改修工事住民説明会開催。各戸別ヒヤリングを実施。

  10. 同年9月 工事契約締結、工事着工。竣工は平成16年2月予定。

3)その他

  1. 今回の工事費は、内装工事の費用を含めて1戸当たり80万円から100万円程度。うち、専有部分の工事費が流し台の交換を含めて50万円から60万円程度。

  2. 各戸の改修工事のために水が使えない期間
    昼 間  3日〜4日
    夜 間  風呂、トイレを使え 
    ました。
    全工事の完了は、4日目の夕方 
    でした。


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