理事長は名誉・信用を毀損せずと広島高裁
― 合人社計画研究所の控訴を棄却 ―

 広島に本社を置く合人社計画研究所(代表取締役福井滋)は、管理業務を受託した管理組合の理事長が自社の名誉・信用を毀 損したとして1千万円の損害賠償と謝罪を求めて提訴し、一審で敗訴し控訴していましたが、本年2月15日、広島高裁はこの管理会社の控訴請求を棄却しました。
 理事長が組合員に配布した総会資料などに、管理会社を「不明経理」「何ひとつやってくれない」「納品書より4割高い領収書」などと書いたために、管理会社が名誉・信用を毀 損されたとして、この理事長を提訴した事件です。

しかし、管理会社が修繕積立金を管理費の赤字補填に用いたことや納品が4割高いことは事実であり、2年目点検によるベランダ塗装を管理会社は修理しないといったのに管理組合が直接建設会社に交渉して実現できたことなどから、「資料の表現自体は、激越で品位 に欠ける点もあるが、公共の利害にかかる事実であり、専ら公益を図ることを目的とするものと認められ、指摘した事実も重要な部分が真実であり違法性はない」として、損害賠償等の請求をしりぞけました。

「合人社は管理を受託する者としての適格性を批判されても仕方ない」

 判決文では「管理会社は業務の委託を受けた立場であり、意見や批判は相当程度これを甘受すべき立場にある、管理会社の管理組合への回答は申入れをはぐらかし、揶揄するかのような口吻、相手方からの批判に真摯に答えようとしていない、説明をすれば事足れりとする応答からしても、合人社はマンション管理の受託を業とする者としての適格性を批判されても仕方がないところである。」と手厳しく述べています。
 合人社は、この判決を不服として上告し、現在最高裁で審理中ですが、大管理会社が理事長1個人を相手に最高裁まで争うこと自体、個人としての費用や時間の負担の限界を考えると、果 たして適切であるか疑問を生じます。


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