安易な修繕積立金の取崩しに管理会社の過失を認定
− 管理組合に350万円返還せよと福岡地裁 −

 福岡市早良区にあるマンション「アムール室見」において、平成11年11月頃、当時の理事長が、フェンス改修工事を行うので積立金から約350万円を出して持って来るよう管理会社に指示しました。管理会社は積立金の取崩しには、総会決議が必要と理事長に申し出ましたが、理事長に怒鳴りつけられ、同額を理事長に交付しました。理事長は、工事を業者に実施させたものの、代金を支払わないまま、退居してしまい、結局、管理組合が工事代金の支払いをせざるを得ませんでした。管理組合は、理事長に対し返還訴訟を起こし勝訴しましたが、全く返還されないので、管理会社に対して、返還を求めたものです。福岡地方裁判所(川崎聡子裁判官)では、さる7月2日、管理会社に対して、350万円を管理組合に支払えとの判決を言い渡しました。
 判決では、「管理会社は、マンションの管理及びこれに付随する金銭の管理等を委託されており、積立金を適正に収納、保管すべき義務がある。規約において積立金の取崩しには総会決議が必要とされている以上、理事長の指示といえども、総会決議がないことを知りながら、理事長の求めに応じて、漠然と積立金を取崩し、交付することは、管理会社にあるまじき重大な過失がある。」と述べています。
 管理会社に厳しい判決ともとれますが、プロの仕事のあり方として厳格な管理責任を求めた判決であり、管理組合、管理会社ともども他山の石としていただきたい。 なお、この事件は控訴されました。



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